産業心理学(6)
WHO憲章(1946)「単に病気や欠陥がないということだけでなく,身体的,精神的,社会的に完全によい生活状態」
健康の定義|日本WHO協会
(https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/)単に病気でないという消極的な意味でなく,より広範で積極的な意味である.
→ 精神面で健康の概念が導入「メンタルヘルス」(精神健康)
メンタル(=精神の,心の)ヘルス(=健康)。幸福感,意欲,社会性,現実志向,自信などから構成されている。
判断する3つの基準(日本生産性本部メンタルヘルス委員会)
- 心身が十分に機能していること
- 環境に積極的に適応していること
- 自己の可能性を十分に発揮していること
メンタルヘルスとは何か|メンタルヘルス.jp
(http://hr-mental.jp/articles/about2016)
外界の刺激に対抗しようとする内的な力(反応)がストレス,その反応を引き起こす刺激となる外界の圧力がストレッサー
人間に対するストレッサーには
- 物理的ストレッサー:温度,光,音など
- 化学的ストレッサー:タバコ,炭酸ガス,臭気など
- 生物学的ストレッサー:細菌など
- 心理学的ストレッサー:不安,怒り,喜び,悲しみなど
- 社会的ストレッサー:人間関係,ライフサイクルなど
心身症とは「心理・社会的因子が発症,病状,経過に強く影響する状態」。以下のような時には心身症を疑うべき。
- 一般的な身体治療が効果を発揮せず,直りにくい傾向にある
- 再発,再燃を繰り返す
- 入院すると軽快し,退院すると増悪する
- 生活にゆとりのない状態が続く
- 睡眠障害が見られる
- 生活や人間関係の変化に続いて発症する
- ストレスのうっ積に気づかず,過剰適応がみられる
常に時間に追われながら課題の達成を志向し,周囲に対して激しい競争心や敵対心を示す人をタイプAと呼ぶ.冠状動脈疾患を発病しやすく,ストレスが溜まりやすい。
時間的に切迫している状況や単独で仕事をするときはタイプAが,複雑な判断や速さより正確さが要求される場合,また,グループで仕事をする場合にはタイプBが,それぞれ優れた仕事をする傾向にある。
最近はタイプA,Bに加えてタイプC(我慢強く,周囲に気を使うがストレスが溜まりやすく癌の発症リスクが高い),やタイプD(ネガティブ思考で内向的)も言われている。日頃の行動パターンで分かる ストレスを感じやすい人、感じにくい人|NIKKEI STYLE
(https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0800Q_Y1A201C1000000/)
理想を持って熱心にとりくんだが,努力が報われず,不満足で充足感のない状態に長期間さらされた結果,無気力,自己嫌悪に陥り,抑うつ的となり,仕事への意欲を消失するといった心身の状態.医療関係者に多く,日本の看護師の約3分の1がこの状態にあるという報告もある.
5分でわかるバーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)|HelC
(http://www.health.ne.jp/library/0700/w0700012.html)
2015年12月より50人以上の労働者がいる職場でストレスチェックが義務化された
生活習慣病との関わりが強い。ストレスを解消しながらメンタル・ヘルスを維持するには,個人のライフスタイルを振り返ることが必要
規則正しい日常,十分な睡眠時間,バランスのとれた食事,アルコールやタバコ,対話と団らん,趣味とスポーツ
など。