産業心理学(7)

仕事の成功と動機づけ

なぜ成功するのか? 失敗するのか?

内的
外的
安定
能力
課題
不安定
努力

職場環境におけるタイプA

タイプAが不利なのは

 → 上級管理職にはやや向かない

自分で自分をどう思っているか(自己概念)

肯定的な自己概念(職業人としての能力に自信を持ち,自らを望ましい人間だと見なしている人)ほど,高い志気,強い動機を持って仕事に臨むことができ,成功を収める機会も多い。

“自尊感情の高さ”と“就職活動の成果”の関係に関する調査(エリスら)
→ 自尊感情が低いと,友人等の情報源を有効に活用できず,積極的に応募する姿勢が欠けており,実際の面接場面の評価も低い。
→ 自尊感情が低い(否定的自己概念)人の場合,外的要因を重視することで課題を遂行に近づく

仕事前のいいわけ(自己ハンディ化方略)

何かをする前にあらかじめ,いいわけをする人が多い

達成への動機づけ

達成動機(achievement motive):障害を克服し,卓越した基準を設定し,できるだけ独力で自己の力を発揮してその基準に到達しようとする動機。成功を期待する気持ちと失敗をおそれる気持ちの合成された動機

成功を期待する気持ちが強い人は,困難すぎる課題ややさしすぎる課題を避ける。


なぜ仕事をするのか?

仕事を通して個人生活や社会生活のためのなんらかの目的を果たそうとする.こうした働こうという動機がワーク・モチベーションという.

以下の3タイプのワークモチベーションをあわせて仕事をする

業績(Performance)=能力(Ability)×動機づけ(Motivation)

外発的動機づけと内発的動機づけ

人間の欲求

マズローの5段階説
(低次欲求が満たされるにつれ高次欲求が出る)
アルダーファのERG理論
(3つが同時並行することもある)
  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 所属と愛の欲求
  4. 自尊欲求
  5. 自己実現欲求
  • 生存欲求(Existence)
  • 関係欲求(Relatedness)
  • 成長欲求(Growth)

経済的動機づけと科学的管理法

経済的動機づけ:仕事や職業を選ぶ場合,衣食住など生活に欠かせないものをえるのに必要な収入を求めるだけでなく,できるだけ豊かで余裕のある生活を楽しめるような経済的条件を求める.また,そうした条件が,一時的でなく継続的に得られ,より高い生活水準が維持できることを期待する.

「科学的管理法」(テイラー)の中で,出来高払制度と時間研究によって管理することで生産性をあげ,ワークモチベーションを高めている.

社会的動機づけとホーソン研究

ホーソン研究:照明の変化による作業能率の実験をしたが,元に戻しても作業能率が向上した.
→ 実験に参加しているという誇り,責任感,実験者との友好的な協力関係によるもの

公式,非公式組織の中で人々はある種の人間関係を形成し,それが仕事に影響を及ぼす

エルトン・メイヨー ホーソン実験|ダイヤモンド・オンライン:
http://diamond.jp/articles/-/778)

コミュニケーションとリーダーシップ

個人と個人(対人的)コミュニケーション,個人と集団(組織)のコミュニケーションとも「高度に効率的な集団」を形成するのに必要.

リーダーシップ:特定の集団成員が,集団の課題解決ないし,目標達成機能と集団過程維持に関して,他の集団成員よりも,これらの集団機能により著しいなんらかの継続的で積極的な影響を与える,その集団成員の役割行動.

リーダの持っている「力」=「社会的勢力」とは (フレンチ,イレブン 1959)。部下が以下の認識を持つことで生じる。

民主型のリーダーシップ:仕事の見通しをメンバーたちに伝え,仕事の方針や分担をリーダーの援助の元にメンバーたちに決定させる。メンバーたちに対する評価は,客観的で事実に即する。仕事に関する友好的な会話が多く,意欲的で,リーダーが不在の時でも積極的な活動につながる

リーダーシップPM理論

PM理論とは?理論とリーダー育成における活用場面をわかりやすく解説 | ALL DIFFERENT株式会社
(https://www.all-different.co.jp/column_report/column/pm/hrd_column_56_171208.html)

自己実現動機とY理論

マクレガーのY理論・・仕事で心身を使うのは人間の本性で,遊びや休憩の場合と同じである.外からの統制だけが企業目標達成に向けての手段ではなく,自分が参加して決定した目標達成のためには自ら責任を果たし,自己統制する.(←→X理論)

自己実現動機:仕事を通しての精神的成長や充実感・達成感